マイソクとは？販売図面、募集図面の違い
“マイソク”は、不動産会社様が持つ物件の情報源として、物件購入者または賃貸物件の入居希望者に提供する書類です。
また、マイソクには主に“販売図面”と“募集図面”の2種類があり、それぞれ掲載されている内容は異なります。
ここからは、これらの違いを中心に詳しく解説したいと思います。
目次
マイソクとは？マイソクデザインの特徴
マイソクとは、不動産会社様が営業で取り扱う物件の概要、間取り図、地図などをまとめた資料のことをいいます。売買物件、賃貸物件ともに存在します。
元々は、この資料を作成し配信する情報会社の社名でしたが、現在は資料そのもののことをマイソクと呼ぶようになっています。
また、マイソクのデザインにおける特徴としては、まず業界内で定められたデザインが存在しないということが挙げられます。
記載事項さえ法律に違反していなければ、自由に作成することが可能で、こちらは作り手が誰であろうと同じことです。
ただし、ほとんどのマイソクは、以下に当てはまるようなデザインになっていることが多いです。
- 物件写真や案内地図、図面を多く使用している
- 物件のアピールポイントを強調している
- 契約に必要な物件の情報を記載している
- 物件を取り扱う不動産会社様の情報を記載している
なぜマイソクは重要なのか？
良い内容のマイソクを作成することは、不動産会社様にとって非常に重要なことです。なぜなら、マイソクは物件購入者、賃貸物件の入居希望者における第一印象を決める資料であるからです。
不動産会社様の営業マンとして働く方が、物件の購入や入居を検討している方に物件紹介をする際、最初に使用するのがこちらのマイソクです。
そのため、どれだけ良い物件であっても、紹介資料でその良さがアピールできていなければ、「一度内見してみたい」と思ってもらうことはできません。
販売図面とは？
販売図面は、所有者または、事業主が物件を売却または、販売する際、不動産会社様が物件購入者の方に提供するマイソクの1つです。つまり、販売する物件専用のマイソクだということです。
基本的には、一通り内容を確認することで、その販売物件の情報はすべて把握できるようになっています。
販売図面の掲載内容
販売図面には、主に以下のような内容が掲載されています。
物件価格
その物件の販売価格です。図面の左上など、目立つところに大きく記載されていることが多く、不動産広告のルール上、税込価格が表示されています。
アクセス
最寄り駅の名称、最寄り駅までの所要時間などの情報です。
面積（専有面積）
その販売物件の面積で、基本的には登記面積ではなく、壁芯面積が記載されています。
構造
その物件の構造を表しています。例えば、“RC造”は“鉄筋コンクリート造”、“SRC造”は“鉄骨鉄筋コンクリート造”を指しています。
戸数
販売物件がマンションの場合に掲載される、一棟の建物の部屋数です。
一般的に、戸数が多いマンションの方が、各戸あたりの管理費が安くなり、物件購入者にとって魅力的とされています。
引き渡し
中古物件の場合、その物件の引き渡しが行われるタイミングはさまざまです。即時の場合もあれば、期日指定や相談のケースもあります。
これらのうち、対象物件がどれに当てはまるのかについては、販売図面に記載し、物件購入者に伝えなければいけません。
ちなみに、即時の物件であったとしても、物件購入者が住宅ローンを組む場合には、手続き等を挟み引き渡しまでおよそ1ヶ月半かかる場合があります。
築年月
一般的には、建物の建築時期を表しています。中古物件の場合、登記簿謄本の“建物の建築時期”記載の年月を、その建物の建築年月として販売図面に掲載します。
ちなみに、販売図面には上記以外にも、以下のような情報が掲載されています。
- 間取り図
- 物件写真
- 物件案内地図
- 土地権利
- 管理方法
- 施工
- 管理費、修繕積立金
- 取引態様
- 取り扱う不動産会社様の情報 など
GMCの販売図面デザインサンプル
募集図面とは？
募集図面とは、不動産会社が営業で取り扱う賃貸物件の入居者を集めるために使用するマイソクの一種です。賃貸物件専用の書類であり、販売物件で使用することはありません。
また、作成の対象が物件購入者ではなく賃貸希望者であることから、掲載される内容も販売図面とは少し異なります。
募集図面の掲載内容
賃貸物件専用の募集図面に掲載されている内容は、主に以下の通りです。
賃料
販売図面においてもっとも重要な情報が物件価格であるのに対し、募集図面では物件の賃料がもっとも重要になります。
また、賃料とあわせて、敷金や礼金などの費用についても、目立つように掲載されるケースが多いです。
最寄り駅までの所要時間
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不動産を購入する方の中には、車を所有しているなどの理由で、それほど最寄り駅までの所要時間を気にしないという方も多いです。
一方、賃貸物件を借りようとする方の中には、駅チカ物件であることを第一希望にしている方も多いため、募集図面には最寄り駅までの所要時間を大きく目立つように掲載しなければいけません。
契約期間
普通借家契約の場合、契約期間は1年以上で設定されますが、一般的には2年間の契約になります。
また、期間の定めのある定期借家契約の場合は、自由に契約期間を定めることが可能です。
更新料
契約満期以降、賃貸借契約を更新する場合には、契約内容に応じて借主が貸主に更新料を支払う必要があります。
設定金額としては、賃料の1ヶ月分になることが多いですが、必ずしも設定しなければいけないというわけではありません。
入居可能日、現況
原状回復も完了し、契約後すぐに入居できる物件には、“現空（現在空き家）”や“即入居可”と表示します。
賃貸中などの場合は、いつ退去予定なのかを掲載しなければいけません。
これらの他にも、募集図面には以下のような情報が掲載されています。
- 物件住所
- 構造
- 間取り図
- 物件案内地図
- 外観、室内の写真
- セールスポイント
- 賃貸条件（ペット不可、禁煙など）
GMCの募集図面デザインサンプル
まとめ
今回の記事のポイントは以下の通りです。
- マイソクには販売物件用の“販売図面”、賃貸物件用の“募集図面”がある
- マイソクの内容が魅力的でなければ、物件の良さを伝えることはできない
- 販売図面には物件価格や面積、引き渡しなどの情報が掲載されている
- 募集図面には賃料や契約期間、更新料など、賃貸物件ならではの内容が記載されている
